古刹「三井寺」の境内にある宿坊「和空 三井寺」に泊まったら広い境内を巡り、歴史ある物語に身と心を浸したい! そんな思いに駆られて歩き回っていると、思わぬところで可愛い生き物にも出会えます。
さ、行きましょう。
(1)ぱくぱく鯉さんが口を開けて迫ってきます♪
可愛い生き物のいる場所へ行くには、まずは「金堂」を目指しましょう。
国宝「金堂」の重厚な姿に思わず近づきたくなりますが、左手に石段が見えてきたらストップ!
手前には小さな池があり、石橋がかかっています。
季節によってはスイレンの葉が大きく茂ったり、花を実らせたり。心和む一角です。
池を覗くと美しい鯉がゆったりゆらゆら優雅に泳いでいます。
池のそばには小さな釣鐘のようなものが。
ん、中に何か入ってる?
「コイのエサ代 お志をおねがいします」
なるほど。ミニ釣鐘から覗いているのは鯉たちが大好きなエサ。
お志(=お代)を釣鐘の中に残して、コイのエサひとふくろを手に。
池のそばに立つとすぐにコイたちが「ちょーだい」「ちょーだい」とばかりに口をぱくぱくさせて寄ってきます。
か、カワイイ。
お寺の池ならではの楽しい功徳かもしれません。
三井寺で鯉を見ていると、ひとつの物語が思い浮かびます。
怪異小説『雨月物語』の作者・上田秋成が書いた『夢応の鯉魚』。
鯉の絵を描いた僧侶が死の3日後に蘇ったという不可思議な物語。
この物語の主人公が三井寺の僧侶という設定でした。
『夢応の鯉魚』は小説。完全な作り話ですが、どうして三井寺の僧侶を主人公にしたのかは謎です。
謎ですが、古刹・三井寺にはそんな不思議な物語を呼び寄せる雰囲気も漂っている気がします。
(2)孔雀舎でそーっと待つ。孔雀が羽を広げるのを静かに待ってみる。
コイにエサを食べてもらったら、次は孔雀に会いにいきましょう。
コイの池を超えて石段を昇ると、目の前に現れるのが・・・
「一切経蔵」です。
扉が開いていれば内部に納められた八角形の輪蔵をじっくり拝見することができます。
「経蔵」ならではの圧巻の姿。しばらく佇んでいたい気もするし、左手に見える「五重塔」も気になります。
が、ここはひとまず「孔雀」に会いに。「経蔵」右手奥の小道を進みましょう。
樹々に囲まれた場所にあるのが「孔雀舎」。当たり前ですが、ココです。ココに孔雀が居ます。
相手は孔雀だもの。驚かせないようにそっと近づきましょう。
相手は孔雀だもの。できれば羽を広げている姿が見たい。
でも相手は孔雀だもの。孔雀の気持ちを尊重しましょう。
柵ごしに優しい目線で見つめているうちに、運が良ければ孔雀が羽を広げてくれるかもしれません。
美しい。
仏教には「孔雀明王」という明王がいます。
孔雀明王は「むさぼる」「いかる」「ぐちる」という人間の三毒を消し去る威力を持つのだとか。修験道の祖・役行者も孔雀明王を篤く信奉し、孔雀明王の呪文を唱えて修行したのち、孔雀の背に乗って霊山に飛び去ったのだといいます。
会いに行く時期によっては小さな孔雀の姿を見られることも。
役行者を背に載せられるとは思えない、とてもか弱い小さな背中。
くれぐれも驚かせたり、怖がらせたりしないように、静かに見守りましょう。
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