【宿泊レポート】日蓮上人の修行の地!大本山清澄寺「お寺に泊まろう」

 

■今回宿泊したのは・・・日蓮宗 大本山 清澄寺

今回訪れたのは、千葉県鴨川市にある大本山 清澄寺(せいちょうじ)。
“きよすみでら”の愛称で親しまれる清澄寺は、日蓮聖人修行の地として有名な日蓮宗のお寺です。凛とした空気に包まれる山寺で、大杉(千年杉)をはじめとして、数多くの文化財なども 点在しています。

 

■文化体験が盛りだくさんの特別プログラム「お寺に泊まろう」

今回参加したのは、文化体験が組み込まれたの特別な宿泊プログラム「第一回 お寺に泊まろう」。

このプログラムでは、作法や写経、精進料理などの人気の修行のほかに、自分磨きもできる尼さんのヨガ教室、御朱印帳作り、お坊さんとの茶会などが体験でき、1泊2日ながら内容は盛りだくさん。

当日、まずは受付と着替えを済ませたら、14時から信育道場で開会式が行なわれ、いよいよプログラムがスタートです!
参加者は全部で11人!

最初のプログラム「法座」では、2日間寝食を共にする参加者でお互いの自己紹介を行いました。

 

<15:00~ 仏前作法>

正座や合掌の仕方、堂内外の歩き方、お焼香の仕方など修行のもっとも基本となることを学びました。歩いたり、座ったり、何気ない日々の細かい動作に気を配り、心を込めて丁寧に行うことは大切なんですね!

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<16:00~ 写経>

墨をすりながら、「写経とは?」「心構えは?」などの写経の説明を受けました。
準備が整ったら、全員でお題目を三返唱え、開始!
どんどん集中し、無の境地へ・・・。

 

<17:30~ 太鼓練習>

日蓮宗独特の「団扇太鼓(うちわだいこ)」。声をあげて唱題するときにドンドンと打ち鳴らしてリズムを整えるというもので、お題目を叩く練習と叩きながら歩く練習をします。
最初はバラバラだった音色が少しずつまとまっていくと一体感を感じることができてうれしい!

 

<18:00~ 夕食>

普段は食事中にテレビを見たり、スマートフォンを使用したりと“ながら食い”をしてしまいがちですが、この時ばかりが私語厳禁!命をいただくことへの感謝と目的について述べる文「食法(じきほう)」を唱えてからいただきます。
また、料理の盛られていた器をたくあんで洗い、汁の一滴まで残さずにいただく「お清め」も体験。「良い」という意見も「悪い」という意見もありましたが、これも修行であり感謝を表す行為なんです!

 

<19:00~ 夜勤(やごん)>

テキストを見ながら、お坊さんと一緒にお経をあげます。いわゆる、夜のお勤めです。

 

<19:30~ 法座>

歩いて5分程の場所にて行われていた「星空観望会」に参加しました。当日は天気もよく、夜空に満天の星を見る事ができました!都会では明かりが多すぎて気付かない星も見ることができるのは、この環境ならでは!

 

<20:30~ 唱題行(しょうだいぎょう)>

お題目「南無妙法蓮華経」をひたすら唱えきるという日蓮宗の中での大事な修行です。なんだか生きる力が湧いてきます!

 

<21:00~ 入浴・茶話会>

懇親会を兼ねた茶話会では、参加者同士でお互いの話をできる時間となりました。
また、翌日の朝食時間にお坊さんが参加者の悩みや質問にこたえてくれるということで、各自匿名で、普段はお坊さんに聞くことができない質問や相談を紙に書いて提出しました。自分の素直な気持ちや悩みなど、心の声に耳を傾け、自分と向き合ういい時間になりました。

 

<22:00~ 就寝>

 

 

■2日目がスタート!

 

<5:20 起床>

 

<5:40 集合・唱題行脚>

身支度をサッと整えたら、信育道場前に集合。列を組んで、太鼓を叩きながら、唱題行進します。向かう先は、社殿奥の旭が森。ここで初めてお題目を唱えられたのが、日蓮聖人と言われているそうです。
早朝の静寂な空気の中響く太鼓の音で気持ちもグッと引き締まりました。

 

<5:50~ 旭日遥拝>

昇りくる旭日に向かってお題目を唱え、太鼓を叩いて旭日を迎えます。旭が森から眺める日の出は、実は「日本の朝日百選」に選定されているまさに絶景なのですが、この日はあいにく天候に恵まれず見ることができませんでした。きっと、また皆さん来てください、ということなんでしょうか?

 

<6:30~ 清澄寺朝勤>

清澄寺のご本尊であり、宇宙のような無限の知識を宿す智慧と功徳をもつ「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」がお祀りされている摩尼殿で、朝のお勤めに参加しました。

 

<7:00~ ヨガ>

宿坊にある道場でヨガの資格をもっている尼僧さんの指導のもと、朝ヨガを行いました!
このプログラムの修行のなかで、いちばんゆったりと、リラックスできる時間だったような気がします。

 

<8:00~ 朝食>

朝から体験がたくさんだったので、もうお腹はペコペコでした。おのおので配膳をし、食べる前に「食法」を唱えます。
前日の茶話会のときに記入した質問・相談に、お坊さんができる限り回答していってくださり、耳を傾けながら朝食をいただきました。

 

<9:00~ 記念工作(手作り御朱印帳)>

お寺・神社の参拝の証としていただく御朱印。その御朱印をいただくための御朱印帳を自分で作りました!自分の好きな表紙の柄を選んで、ハサミとノリでDIY!

日蓮宗では、他の仏教の宗派とは少し異なる点がある宗派で、一般的に「御朱印」「御朱印帳」と呼ぶものを、日蓮宗では「御首題」「御首題帳」と呼ぶんだそうです。
御朱印帳ができあがると、参拝方法を学び、「御朱印帳」か「御首題帳」のどちらの帳面にするかを考えました。こういった違いや作法を学ぶのは、大変興味深い!
そのあと、大堂事務所に行き、作った帳面に記帳をしてもらいました。記帳は手書きなので記帳の待ち時間に、境内の案内をしていただきました。

 

<13:00~ 修了式>

昼食をとったあとは、ついにさいごのプログラム、修了式です。
参加者全員でお釈迦様・日蓮聖人へ無事修行を終えられた御礼と、これからの日常生活がより良いものになるようにと祈念。
充実の2日間が終了し、解散となりました。

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今回の体験で、今まで知らなかった仏教や修行について学ぶことができ、もっとお寺について知りたいと思いました。また、自分と向き合うことで、また明日から頑張ろうと前向きな気持ちになれました。

※このプログラムは、千葉県鴨川市観光課の助成により、『千葉県宿泊・滞在型観光推進補助金活用事業「モニタープラン」』という形で開催されたものです。常時、すべての体験を宿坊で体験できるものではありませんが、今後の継続開催も検討されています。具体的な実施日などは、直接清澄寺までお問い合わせください。

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