もっと鑑賞が楽しくなる!仏像の見方

昨今、人気が高まる仏像鑑賞。秘仏公開などの展示会には、長蛇の列ができることも珍しくなくなってきました。お寺の宿坊に泊まったら、館内拝観の際など特別に仏像などが鑑賞させていただけることもあります。
今回は、仏像鑑賞をもっと楽しむための、仏像の基礎知識をお伝えします!

 

■仏像の種類

仏像には大きく分けて4つの種類があります。

・如来
悟りを開いた聖者という意味で、位が最も高い仏様。釈迦、薬師、阿弥陀、大日如来など。
如来の特徴は、頭の上がふくらんでいて(よくパンチパーマのようと言われています)薄い衣一枚を身体に巻き付け、装身具は着けていません。

・菩薩
悟りの境地に近い存在で、如来を助ける役割です。また、お釈迦様が悟りに至る前の姿を表しているとも言われています。
髪を結い上げて、冠やアクセサリーを身につけていたりします。
よく知られているものは、観世音、弥勒、文殊、普賢、地蔵菩薩など。最も人気が高い観音様は、十一面、千手など様ざまな姿に変身します。

・明王
明王は、様ざまな欲望にまみれて暮らす者を厳しく指導する役目を持ち、怒りを表す表情をしています。勇ましく迫力がある姿で現されますが、人々を救ってくれる優しい仏様です。を不動明王、愛染明王などが有名。

・天
ヒンドゥー教の神が仏教の守護神になったもの。四天王などの武神、吉祥天、弁財天など、〇〇天とつく仏様はすべてこの属性です。

 

■注目ポイント

●頭髪
如来のパンチパーマのようなこの髪型は、螺髪(らほつ)と言い、髪をクルクルと巻いたものです。
菩薩は髪を髷のように結い上げています。不動明王は、髪を梳くものと巻き髪があり、愛染明王は、髪が逆立っています。

●光背
如来、菩薩、天は、光を示す光背を像の後ろに置きます。不動明王は、メラメラと燃える炎を背にしています。

●印相
手の構えでメッセージを示しています。
拳を立てて正面に向ける・・・かしこまらなくていい
手を垂れて拳を正面に向ける・・・望みを叶えよう
お腹の前で手を重ねる・・・瞑想状態
などの意。

●台座
多くの仏像は、蓮の花の上に立ったり座ったりしています。ゾウや獅子、牛など動物の上に乗る仏像もあります。

 

■ちなみに仏像の大きさって・・・

ところで、仏像と言えば、奈良や鎌倉の大仏様がとても有名ですが、どのくらいの大きさかご存知でしょうか。これは、もちろん大きい・小さいを勝手に判断しているわけではなく、仏の身長は1丈6尺=約4.85mあったとの信仰に基づいています。仏像の背丈を「丈六」を基準に判断し、仏よりも大きい仏像のことを大仏と呼びます。
座っているお姿の坐像の場合は、その半分の8尺の=約2.43m程となります。

 

<オススメの大仏>

甲賀三大佛
信楽焼や名勝地・三筋の滝、忍者などで知られる滋賀県甲賀市。市内の3古刹、大池寺(だいちじ)、櫟野寺(らくやじ)、十楽寺(じゅうらくじ)の丈六仏は、知る人ぞ知る忍びの里の三大仏です。

薬師如来像(櫟野寺)

東方瑠璃光浄土の教主で医薬をつかさどる仏であり、医王仏とも呼ばれています。手には薬つぼをもち、この世において心身の病を除き安楽を与えてくださる仏様です。

 

釈迦如来坐像(大池寺)

仏教の開祖であり、大恩教主、発遺教主とも呼ばれます。人々をこの苦しみの世界から苦しみのない世界へ導くために教えを説かれ、仏の世界にお送り下さる仏様です。

 

阿弥陀如来坐像(十楽寺)

十楽寺のご本尊であり、日本最大級の大きさを誇ります。限りない命、光(智慧)慈悲により、たとえ悪行をしたものでも漏れなく救ってくださる仏様です。

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※写真提供 藤原デザイン研究所・藤原スタジオ