「修行」は「苦行」だろうか?
ふと、考えてみる。
「修行」は「苦行」だろうか?
「修行」と聞くと身体を酷使したり、心を追い込んだりするイメージがある。
でもそれはあくまでも凝り固まったイメージ。
実際は。
「修行」が終わったあと(ガチでも、体験でも)パァーっと晴れやかな顔をしている人が多くないか?
心も身体も擦り減ってボロボロになるどころか、ふわっと丸ーく軽ーくピカピカになってるのが傍目にもわかる。
つまり、もしかして、「修行」って楽しいのでは!?
いや、それは言い過ぎか。
少なくとも「修行」は疲れた心を元気に楽にしてくれるものなのでは?
きっとそうだ。
ということで! 「和空 三井寺」に宿泊される方(それ以外の方にも)こんな修行どうですか?
■坐禅(止観)
「三井寺」の坐禅は、天台宗を開いた中国の僧・智顗の教えに基づき「止観」とも呼びます。またポーズは三井寺の宗祖・円珍の姿にならっています。
・・・と書くとハードルが高そうですが、ご高齢の方やお子さまにもわかりやすく指導していただけるので初めての方でも怯まなくて大丈夫。
豊かな自然に囲まれ、仏様の息吹を感じるお堂の中で内なる意識に没入。ゆったりと新しい自分を発見してください。
※坐禅(止観)場所が観音堂の場合、頭上にある「龍」の写真にも注目。
写真の「龍」は三井寺の名の由来に関わる霊泉の覆屋に彫られた「龍」です。(※閼伽井屋の「龍」の話は次回以降に!)
そして撮影したのはアーティストの一面も持つある俳優さん。興味のある方は見上げるのを忘れずに。
■写経
一文字一文字が仏様。
だから焦らなくても良いし、下手な字でも構わない。ひとつひとつを丁寧に。
三井寺の写経体験ではそんな風に教えていただけます。
一文字一文字。
ゆっくりゆっくり。仏様を思いながら。
場所が観音堂ならば窓外には比叡山の姿も見えます。
昔々、三井寺と比叡山延暦寺の間に激しい確執があったことなんてまるで嘘のよう。
1300年。
三井寺の歩んだ激動の歴史、その深さ、その痛みに思いを馳せながら。
再び、一筆一筆に思いを込めて。
写すのは「般若心経」278文字です。
■ビーズブレスレット(腕輪念珠)
木や石の念珠玉を組み合わせてオリジナル念珠を作ります。
水晶・タイガーアイ・黒メノウなどの数種類の石や、黒檀・紫檀・桜などの数種類の木を円く磨いた念珠玉から好きなものを繋いでいき、ブレスレットに仕上げます。
まずは一番大きな珠をひとつ選びます。
これが一番身近で見守ってくださる仏様。
次に大切な珠をふたつ。これはメインの仏様の補佐をしてくださるそうなので、脇侍のような存在でしょうか。
そしてメインの石と補佐の間に入れる珠をそれぞれ5つ。
補佐と補佐の間に入れる珠を女性は12、男性なら14選びます。
ひとつひとつの珠が仏様。
僧侶の方に相談しながら叶えたい願いごとにあった石や木を選びましょう。
出来上がった念珠ブレスレットは願い事が叶うよう丁寧に御祈祷いただいてからお持ち帰りいただけます。
身につけて日々のご加護を受けましょう。
ビーズブレスレットづくりは特に女性に人気の修行体験。(もちろんコレも「修行」です)
アクセサリー作りのような感覚なので思わず「楽しい」と笑顔がこぼれます。
もちろん笑顔をどれだけ溢れさせてもOK! 修行だからってしかめ面する必要はありません。
■特別拝観:光浄院客殿
通常は非公開、門が閉ざされた国宝「光浄院客殿」。
「和空 三井寺」宿泊者のためだけに「特別拝観」が行われる予定です。
建物は「書院造」の代表的遺構として国宝に指定、池の水に樹々が映える庭園は名勝史跡、そして狩野山楽ら狩野派による障壁画は重要文化財に指定されています。
通常は非公開のため訪れる人の少ないこの贅沢な空間で、どのような時間を過ごして欲しいか。
心を無にして欲しい。
三井寺のある僧侶の方はそう仰いました。
たとえばパソコンもときどき不要なファイルを削除してクリーンアップする作業をしないと動作が鈍る。
それと同じように人も要らないものを捨てる時間が必要なのでは、と。
「三井寺」の中でどんな風に時間を過ごすか。
リセットもOK。アップデートもOK。心身のデトックスもOK。心を空っぽにしてみるのもOK。
一文字一文字、一珠一珠に心を込めるように。
ひとりひとり、ひとつひとつ大切な時間を紡いでください。
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◎【ミニ特集】「不死鳥の寺」三井寺に泊まる:
(1)生まれ変わりました。はコチラ⇒
(3)3つの「龍」の伝説を巡る。はコチラ⇒
(4)境内散策で、思わぬ可愛い生き物に遭遇。そして意外な伝説にも。