ココロもおなかも大満足!精進料理がおすすめの宿坊

肉や魚を使わずに、野菜や豆類、穀類を活かす工夫をして調理された「精進料理」。近年は、食に対する姿勢や健康・美容に良いことなど、さまざまな角度から脚光を浴びています。
しかし、精進料理と聞くと「味気ない質素な食事なんじゃない・・・?」なんてイメージを抱くひともまだまだ多いのではないのでしょうか。今回は、そんなイメージをきっと覆す、おすすめの精進料理がいただける宿坊を大特集!!!

 

■まずは、正統派精進料理をご紹介します

動物性の食品を一切使わない、まさに“正統派” 精進料理を提供する宿坊をまずはご紹介します。

 

<“味の寺” 可睡斎の精進料理>

「味の寺」の愛称でも知られる曹洞宗のお寺、可睡斎。曹洞宗の禅寺では、精進料理をとても大事にしていて、食事を作ることもいだたくことも修行の一環。可睡斎の精進料理も地元でとれる旬の食材をとり入れ、味や香り、見た目に大変こだわって調理されています。また、毎月2回開催されている精進料理教室では、なんと精進料理会の日本代表『小金山泰玄老師』が講師をされています。

 

<料亭並の上品さ!一乗院の精進料理>

まるで旅館のような施設と接客の快適さで大人気の高野山の宿坊のひとつ、一乗院。旬と生の食材にこだわり、専門の料理人により作られている一乗院の精進料理は、本膳、二の膳、三の膳がついた精進懐石料理です。少し贅沢したいな、というそんなときはグレードアップも可能(追加料金要)です。

 

■バリエーション豊かな精進料理

次に、使用する食材やテイストにひねりや工夫を加えたことで進化した少しハイブリッド(?)な精進料理をご紹介したいと思います。

 

<宿坊 光澤寺のイタリアン精進料理>

2012年4月鳥取県の山里にオープンした、”心と身体に栄養を”をモットーにした新スタイルの宿坊。基本的に宿泊及び日帰り体験ともに、それぞれ一日一組で、女性もひとり旅でも大人気です。そしてこちらの夕食には、女性が大好きなイタリアンの精進料理をいただくことができます(新鮮な地元食材を中心にした鳥取家庭料理や和風の精進料理も選択可)。滞在中は、写経や瞑想など、本格的な体験を自由に体験でき、すべてご住職が対応しているそう。他の滞在者に気兼ねすることなく、のびのびと過ごすことができる素敵な宿坊です。

 

■特別メニューにも注目!皆成院の精進料理

10~14品と品数がとても多く、予算や希望に合わせて選択できる皆成院の精進料理。なかでも注目したいのは、特別メニューです。例えば、胡麻とうふ。普通の胡麻とうふは、ゴマを煎りすり鉢で刷りそれを布巾で包み、水の中でよく揉んでごま汁をだし、葛粉を加えて固めますが、皆成院の胡麻とうふはゴマをすり鉢ですったものをすべてゴマ汁の中にいれるので風味がとても豊か。他には、いなり寿司もとても有名です(要予約)。

 

■グローバルに活躍!?いろんな精進料理!

 

<ハラル承認を受けた高野山 別格本山 總持院の精進料理>

仏教の聖地・高野山にあるこちらの寺院では、なんと驚きの!イスラム教の戒律にのっとり定められた「ハラル認証」の認定を受けたことがある精進会席をいただくことができます。ハラルとは、イスラムが認定する適正な方法で処理・加工・保管・運搬された食品であるという、第三者機関のお墨付きのことで、最近では、イスラム教徒である外国人旅行者の増加に伴い、認証を受ける企業やリゾート施設が増加しています。

「元々精進料理とイスラム教の食事制限には共通した部分が多く、料理そのものに関しては大きく手を加える必要はありませんでした」と語るのは、宮田副住職。また、醤油発祥の地である和歌山県湯浅地方や、京都にも近いという立地から、良質な食材を仕入れることができているのだそうです。

 

■フランス・イタリアにも進出!?出羽三山神社参篭の精進料理

山形県の西部に位置し、羽黒は古修験道の聖地として歴史に名高い月山、羽黒山、湯殿山からなる出羽三山。この出羽三山の精進料理は、山伏の自給自足の生活から発展したそうです。全部で3か所ある参篭所(神社の宿泊処をこう呼ぶことも)で出している精進料理は、各山で採れた山菜やきのこ、天然水を使用しています。また、基本的には魚肉など動物性の食品を使用しないのが精進料理ですが、湯殿山に流れる梵字川で採れた川魚の料理などがつくなど、場所や時季により品目は異なります。
ちなみに、2011年フランスで開催された「食の祭典」、2015年「ミラノ国際博覧会」などで海外に向けPRも行われているグローバルな精進料理です!

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いかがでしたか?一言に「精進料理」といっても、現在の精進料理は、時代やニーズにあわせてさまざまな工夫を重ねられています。今回紹介しきれていない、他の宿坊でもお料理自慢の宿坊はたくさんあります!食材を無駄にしない“エコさ”や、命に感謝する姿勢、そしてそのおいしさをぜひ体験しに宿坊に訪れてみてくださいね。食事は旅の楽しみの一つとしている方も多いとおもいますが、きっと満足していただけるはずですよ!

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