【修行体験レポート】『松尾山 勝光寺』滝にうたれて人間繁盛!


 

■まさか自分が・・・!

平成30年9月11日、朝晩少し肌寒く秋の装いも感じる日。滝行修行体験で人気を集める、大阪府河内長野市『松尾山 勝光寺』(井本住職)へ半日修行体験で出かけました。


 
滝行なんか、テレビ・マンガの世界の事でまさか自分が参加するなど夢にも思いませんでした。

今日は肌寒いし、山の水は冷たいし・・・。テンションは低空飛行。でも、そこは営業マン『おはよう御座います。本日は宜しくお願いします。』井本住職に元気に満面の笑顔をお届けしました。


 
体験のスタートは鐘楼に案内して頂き、合掌後、宇宙に響けと鐘を撞く。


 
辺りに鐘の音が響き渡り、心の中が少し落ち着いた様な感覚になりました。
 
 

■がんばれ、日本男児!?

本日の参加者は12名(男性7人、女性5人)。ご住職曰く、女性の比率が年々高くなってきているらしく、ご住職は日本男児の多くの参加を希望されています。大学生カップル・大学院生・サラリーマン・ ボクサーなど、いろいろの業界の方が気合注入、面白半分、厄払い、様々な理由で訪れます。


 
寺務所に戻り、申込書・護摩木を記入し、勝光寺・井本住職最大の研修テーマ『人間繁盛学』の講義へ突入。
内容は非常にシンプルでわかりやすい。商売繁盛して豊かな生活を送るには人間繁盛しないといけない。
『自己中心』の考えでは繁栄せず『他幸中心(たこちゅうしん)』に生きていきなさい。他人のことを中心に考えれる人間になれば、全て自分にも戻ってきて人生うまくいきます。


 
仏教用語など使用することはほとんどなく非常にシンプルで分かりやすかったです。死んだ人を祀るのではなく、生きている人を繁盛させていく信念があるので、勝光寺には墓はひとつもなくお葬式への参加も一切ありません。『青少年育成の寺』として今後も活動されるそうです。


 
講義が終了し、本堂に移動。読経と坐禅体験。般若心経を参加者みんなで唱えた後、いよいよ坐禅開始。座り方の注文は特になく、一般的なよく目にする坐禅のタイプです。住職が坐禅開始の鐘を鳴らしいよいよスタートしました。頭の中をからっぽにと思えば思うほど、いろいろなことが頭の中いっぱいに広がっていきます。これを煩悩と呼ぶのでしょうか? まさかっ? と思ったらご住職が前に立ちはだかっていました。もうしょうがない。覚悟を決めて合掌。体を前に倒すやいなや、肩に痛い一発!!二発!!左右一発ずつ頂きました。軽い感じで叩かれると思いきやそこそこの力で気合をいてれて頂きました。後で肩を見たら赤く腫れていました。ご住職有難う御座居ます。
 
 

■いよいよ、滝へ!

そして、修行体験、最後の最後、本日のメインイベント『滝行』です。

 
滝行用の行衣は貸して頂けます。男性は裸の状態に行衣下半身のみ巻きます。女性は行衣の下に水着を着用します。滝行場にはきれいな着替えの小屋があります。いきなり水の中に入ると心臓麻痺を起こす可能性があるので、準備運動で軽く体を動かし、少しランニングをし、体を温めます。


 
係の方に誘導されて、いよいよ水の中へ。


 
山の水はかなり冷たく体が痛い。風呂桶で水をすくい、体全体に水をかけます。もう冷たさはありません。滝下の不動明王様に合掌し、流れる滝の近くへ。岩場でこけないようにご住職がサポートしてくれます。住職が「やるゾー」とかけ声をあげます。参加者も全員声をそろえて「やるゾー!!」「やるゾー!!」「やるぞー!!」と3回唱和。


 
ご住職と流れる滝にも合掌し、いよいよ滝行スタート。3分間の体験です。


 

・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

何なんだこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

 
流れ落ちてくる水圧の凄さで、前に倒れないようにしっかり立つのが精一杯のまま、すごく長く感じた3分間が終わりました。寒さは感じなくなっています。初めての滝行では自分の汚いものを洗い流し、新たな自分になるとかの思いは、ひとかけらも感じることははできず。ただ水圧に耐えることが精一杯で終了しました。

ご住職が初めに10回は来てください、それぐらいしないと何もみえてきません、との言葉がやっと分かりました。

■コーヒーとバームクーヘンを頂きながら・・・

着替えが終わり、寺務所へ戻ると、飲み物を頂きました。お茶(冷・温)、コーヒー(冷・温)を入れてくれます。滝行で体が冷えていたのか、思わず温かいコーヒーを頂きました。バームクーヘンも頂きました。申込書の裏側に本日の感想を記入し、体験終了しました。


 
体験参加前は滝行の事ばかりが気になっていましたが、全体を通じて、私の心に残ったのはご住職の教えの『他人を幸せにすることを考えて生きれば、自分自身が四慌てに過ごせる』『他幸中(たこうちゅう)』という、自己中の反対語でした。

体験終了後、参加前以上の満面の笑顔で『ありがとうございました!!』日常生活で汚れた心が少し洗われたような気がしました。滝の水で流れたわけではなかったですけど・・・。

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