<宿坊研究会レポート07>宿坊とも相性が良い、お寺の漫画図書館

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多くの種類があるお寺の漫画

昨年月、東京の増上寺門前にある多聞院に仏教やお寺お坊さんがテーマの漫画を集めた『お寺の漫画図書館』を作りました。こちらは前住職が亡くなられた後、近くにある観智院・土屋住職が兼務住職となり、私に仏教を伝える場として活用できないかとご相談いただいたのが始まりです。

「仏教」と言えば漢字だけのお経、お坊さん達の厳しい修行、お葬式やお墓などのイメージで、一般の人びとには気軽に入りにくい面があります。しかし、お寺が題材の漫画が集まれば、これまでとは異なるメッセージが発せられるのではないか。私自身、手塚治虫の『ブッダ』からお釈迦様のストーリーに興味を持ったこともあります。それが漫画図書館を提案した理由でした。

現在、蔵書は300冊を超え、来館される方は「お寺の漫画って、こんなに種類があるんだ」と驚かれます。近年、仏教やお寺、お坊さんをテーマにした漫画は増えています。特に各教団が持つ出版部や一部の仏教系出版社だけではなく、一般書籍を扱う会社からの漫画が2000年代以降急速に伸びています。

等身大の僧侶やお寺に焦点

宝島社「このマンガがすごい2009」オトコ編位を獲得し、映画化もされた『聖☆おにいさん』は有名ですが、その他にも虐待されていた異母弟をお寺で引き取り、その家族や地域と女性僧侶の交流を描いた『住職系女子』、救急病院の医者として勤務する僧侶が主人公の『病室で念仏を唱えないでください』、僧侶養成学校に通う男性を描いた『月を指す指』と内容も多彩です。

このような漫画を通して強く感じるのは、仏教用語やお坊さんをシンボル的に扱ったファンタジーを脱却し、等身大のお寺や僧侶に焦点を当てた作品が目立ってきたことです。
これをお寺も生かさない手はありません。たとえば漫画図書館を宿坊にも開設したら。分厚い仏教書が本棚に並ぶお寺は私もたくさん見てきましたが、お参りに来た人がそれを手に取ることはほとんどありません。しかし、漫画であれば、宿泊者はパラパラと手に取ります。そこから仏教用語に触れられますし、その上でお坊さんの話を聞けば仏教もずっと親しみやすくなるのではないでしょうか。

■お寺の漫画図書館(多聞院)

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ABOUTこの記事をかいた人

堀内克彦

寺社旅研究家・宿坊研究会代表。 「人生を変える寺社巡り」がテーマの寺社 旅研究家。各地で寺社活性化・地域活 性化の講演を実施し、寺院コンサルタント としても活動中。著書に『宿坊に泊まる(』小 学館文庫)など多数。