<宿坊研究会レポート04>宿坊を開設するための3つのハードル

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宿坊研究を始めて17年。日本各地の宿坊を泊まり歩く中、少しずつその数が減っていることを実感します。しかし、昨年からそんな状況に変化が現れ、幾つかのお寺から「宿坊を開きたい」という相談が寄せられ始めました。さらに宿坊へのニーズも日に日に高まっているように感じられます。そこで今回は宿坊を作りたい寺社のご参考に、「宿坊開設への3つのハードル」についてお伝えしたいと思います。

宿坊開設への3つのハードル

(1)初期費用

初期費用の大半を占める不動産の取得費用は、境内にある土地と建物を活用するのであれば不要なので、まずは活用できる施設がないか検討されることをお勧めします。また多くの場合、建物を宿泊施設として整備するリフォーム費用が必要です。併せて宿泊者を受け入れる為の備品や什器の準備費用も忘れてはいけません。

(2)営業許可取得

「宿坊は旅館ではない」という考え方もありますが、ポイントは「外からどう見えるか?管轄する役所がどう判断するか?」ということです(この部分は、営業許可以外にも固定資産税や法人税などにも関わってきます)。
開設する宿坊が旅館業と判断される場合、開設には旅館業法、防火設備設置などを定めた消防法、食事を提供する場合には飲食店営業許可などが関係し、旅館業法と飲食店営業許可は保健所が、消防法は消防署が管轄しています。実はこの営業許可取得が一番のハードルで、それぞれの基準をクリアしないと旅館業として営業できなかったり、食事の提供ができません。その面からも経験豊かな専門家(税理士や建築事務所など)に相談されることが大切です。

(3)宿泊業を営むための技術・ノウハウの習得

これは接客、客室管理、備品の調達、料理、税務知識など多岐に渡ります。また24時間他人と接し続けるメンタル面のコントロールも欠かせません。これらの多くは宿坊を作ってからでないと、身に付かないスキルです。それらのリスクを低減するために、いきなり毎日営業するのではなく知り合いや期間限定での受け入れから始めるとか、調理技術が整わないなら最初は素泊まりのみとするなどの戦略が考えられます。また、宿泊部門と修行体験部門を分け、宿泊は外部委託するなども一策です。

 

以上、宿坊開設の3つのハードルをご紹介しましたが、開設後は「どのように宿泊者を集めるか?どのようにPRしていくか?」が最も大きな関心事でしょう。私もアドバイザーとして参加している全国寺社観光協会が宿坊専門サイト「和空(わくう)」を開設するなど支援体制も整い始めています。宿坊開設には様々な高いハードルもありますが、乗り越える方法もあります。今後も知恵を絞りながら、道を切り開いていけたらと考えています。

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ABOUTこの記事をかいた人

堀内克彦

寺社旅研究家・宿坊研究会代表。 「人生を変える寺社巡り」がテーマの寺社 旅研究家。各地で寺社活性化・地域活 性化の講演を実施し、寺院コンサルタント としても活動中。著書に『宿坊に泊まる(』小 学館文庫)など多数。